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羅生門 その2

2010年12月12日 02:20

土砂降りの雨。朽ち果てた楼門。それは荒んだ人びとの心をあらわしているようで・・・。

そんな誰もが知るカットから始まるこの映画。雨の質感を出すために墨汁を混ぜて降らせたというエピソードは有名ですが、しかしどう混ぜているのか、よくわからないですね。まあ、わからなくとも、この朽ちた楼門と雨のシーンは誰をもうならせ、一瞬にして平安の世に惹き込みます。

楼門の下で雨宿りをしているのは、杣売り(志村喬)と旅法師(千秋実)。
さらに雨に打たれて走ってやってきたのが下人(上田吉二郎)でありました。
「わかんねえ、さっぱりわかんねえ・・・」杣売りが意味ありげに呟いています。

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旅法師は旅法師で、「今日のような恐ろしい話は初めてだ」と陰気な顔をしています。
やがて、ふたりは検非違使の庭での出来事を下人に聞かせます。三日前の藪の中での殺人について、です・・・。
杣売りは男の死体の第一発見者で、旅法師は関山から山科へつづく道で、のちに死体となる男とその妻を偶然目撃していたのです。

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ふたりは殺人の証言者として検非違使庁の庭に出頭し、そこで見聞きしたことを下人に話します。
男を殺したとされるのは多襄丸(三船敏郎)。桂の河原で放免(加東大介)に搦め捕られます。都では名高い悪党でした。

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〈右が放免。放免とは検非違使庁の下級刑吏で、犯罪者を探し、拷問などを行う者だそうです〉

男である金沢武弘(森雅之)を自分が殺した、と多襄丸は隠し立てなく白状します。
山道で昼寝をしていた多襄丸は、葦毛の馬に乗っていた女・真砂(京マチ子)がまるで女菩薩のように見え、女を奪いたいという欲情にかられるのです。
夫婦の後を追って、上手く男を藪の中におびき寄せ、縛り上げた上で、男の目の前で女を襲います。女は短刀を振り抜き抵抗しますが、多襄丸の力の前では無力でした。


《多襄丸の証言》
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女を襲い、満足した多襄丸が一人で去ろうとすると、女が追いすがって、「二人の男に恥を見せるのは、死ぬよりつらい。どちらか生き残った男に連れ添う」と言い出した。多襄丸は、男の縄を解き、正々堂々と決闘をし、そして男を殺した。ところが決闘の間に女は逃げ、姿を消していた、と。


《ある寺に身を寄せていたところ、放免によって捜し出された女の証言》
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多襄丸に手込めにされた後、多襄丸はふたりを見て、嘲るように笑い、どこかへ駆けて消えていった。泣き崩れる女を見る男の目は、怒りでもなく哀しみでもなく、女を蔑んだ眼差しだった。

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男の凍える冷ややかな目に居たたまれず、ひと思いに自分を殺してほしいと男に短刀を渡す。しかし、男はただ女を見つづけるだけ。女が眼差しの恐ろしさで気を失っている間に、男は短刀で自殺してしまったと語る。


検非違使の庭での証言者は、多襄丸と女だけでは終わりません。なんと、巫女(本間文子)の口寄せで、死んだはずの男が証言するのです。


《巫女の口を借りて語る男の霊の証言》
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女を襲った多襄丸は、自分の妻になるよう、女に言い寄る。女は顔をもたげ「どこへでも、連れて行ってください」と返事をし、さらに「あの人を殺してください」と縛られている男を指さした。

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その言葉を聞いた多襄丸は顔色を変え、女を足蹴にし、男に訊ねた。「おい、この女をどうするつもりだ。殺すか、それとも助けてやるか」。この言葉で、男は多襄丸の罪は許してもいいと思った。女は叫びながら逃げていく。それを追う多襄丸。
やがて、多襄丸が一人で戻り、「女は逃げた」と告げ、縄をほどき、立ち去った。
男は女の短刀で自殺する。薄れゆく意識の中で、誰かが短刀を引き抜くのを感じた・・・。





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