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もどろき その1

2010年12月10日 00:19

もどろき 黒川創 2000年

もどろき_0001


題名の『もどろき』とは、滋賀県大津市伊香立途中町にある還来(もどろぎ)神社のこと。
京都方面から八瀬、大原を越え、さらに途中峠を越えて大津方面に向かったところにある、それほど大きくはない神社です。


初出は『新潮』2000年12月号。翌年、新潮社から単行本が出版されています。
作者である黒川創氏は、1961年生まれで京都出身の作家・評論家。
父親の北沢恒彦氏が、もともと雑誌『思想の科学』に携わっていた関係で、息子である黒川氏(本名は北沢恒)も若くして同誌に関わり、編集委員をしていたのだとか。


あらすじはややこしいので、帯を丸写し。

祖父の営んでいた京の米屋の店先で、みずから命を絶った父  。「もどろきさん」、京都と滋賀県境の還来神社をめぐって、祖父・父・私、三代の記憶と現在が交錯する。さまざまな時代を生きた人びとの、語られなかった言葉、「デッド・レター」の行方は。

まあ、この帯文ではよくわかりませんね。同じく、帯に載っている黒井千次の芥川賞選評でも、

「もどろき」は、京都の老朽化した家屋の処置を背景に、祖父、父、主人公と三代の生き方を追う力作であり、戦前、戦中、戦後を夫々の形で生きた家族像に惹かれた。現代史の中で人間の生はどうしたら完結するか、という問いかけは読後にずっしり残る。貴重な素材を扱った作品が多くの賛意を得られなかったことを残念に思っている。

もっとわかりませんね(笑)。
第124回芥川賞にノミネートされ、どうやら、宮本輝や黒井千次には評価されたようですが、受賞にはいたりませんでした。第14回三島由紀夫賞の候補作でもあったようです。


この作品、“なんとなくいい”っていうのはわかるんですが、何がいいのかはうまく説明出来ません。
「もどろき」の祭神・藤原旅子と哲学者のガストン・バシュラール・・・このふたつと主人公の家族が織りなし、絡み合う、親子三代の歴史を語っているのですが・・・。
どんな事象や事柄も、繋げようとすればそれなりに繋げることのできるのが、この現実世界です。“なんとなくいい”としか説明出来ない程度でしか「もどろき」「バシュラール」「主人公の家族」の三つが繋がっていないという点が、この作品が突き抜けて評価されなかった原因かも知れませんね。





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