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マルセル盗難事件 その2

2010年12月02日 01:02

犯人は、足跡、指紋を事務所の窓ガラス、雨どい、展示場内、便所などに多数残したまま、「マルセル」を取はずして疎水まで走り去り、額縁をその場に捨て、絵だけを持って逃げた。

その事実だけが宙ぶらりんのまま漂い、事件は進展せず、時効である1975年12月27日を迎えます。
もう、「マルセル」は二度と人びとの前に現れることはないと思われました。


ところが時効から一ヶ月後の1976年1月30日、朝日新聞と毎日新聞の朝刊に「マルセル」発見の記事が踊ったのです。

20101124193556d7a[1]
〈朝日新聞 1976年1月30日付 朝刊〉


朝日新聞の記事を読むと、発見に到る経緯は以下のようです。


大阪に住む会社員の中年夫婦が、発見の二年半前(1973年秋頃)に、知人である28歳の中学教師から紫色の風呂敷包みを預かります。
「おばさん、これをちょっと預かってほしい。ぼくがとりにくるまで、おやじやおふくろらがきても渡さないでほしい」と教師は置いていきます。両者は実家が近所で、教師が子どもの頃から会社員夫婦の家に遊びに来ていたこともあって、たいして不審に思わず、玄関横の客間の押し入れにしまっていたというのです。

その後、1974年7月、会社員の妻が海外旅行に行く直前、偶然近くのバス停で、中学教師に会ったので、「持って帰ってほしい」と言いますが、そのまま預かっていてくれ、ということでした。
このことがあってか、海外旅行に出発する前、妻は夫に「(教師からの)預かりものだ」と風呂敷包みを見せ、その時開けて初めて、預かっていた物が絵画だということがわかったのです。ただし、その場では何の絵かも気に留めず、そのまま押し入れに戻されました。

ところが、発覚の一週間前、夫が仕事の関係で外国の絵画の本を見ていて、預かっている絵のことを思い出します。
24日に風呂敷を開け調べてみたところ、裏にロートレックの名が記されていました。念のため百科事典で調べると、ロートレックの作品とそっくりではありませんか。
「もしや大変なものでは」と、28日に知人に相談し、「マルセル」が盗難にあっていることを知り、朝日新聞社に連絡したというのです。


連絡を受けた朝日新聞社は秘密裏に、京都大学の乾由明教授と、神戸大学の池上忠治助教授に鑑定を依頼。乾教授は事件当時、京都国立近代美術館の事業課長でもありました。
画集とシミの跡を比べ、木枠に張られた三枚のラベルも、かつて展覧会の開かれた美術館のものであり、本物と断定されます。そして幸いなことには、紙の四隅に黄色のシミがある他は、損傷のない状態でありました。

盗難から7年4ヵ月経った2月27日、「マルセル」は展覧会の主催者であった読売新聞社から故郷のアルビ美術館に無事戻ることとなります。

DSC00458[1]
〈事件の舞台となった京都市左京区岡崎。美術館や図書館、動物園など、京都の文化観光施設が集まっています。平安神宮は平安遷都1100年を記念して1895年に創建されました〉





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