--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

オリヲン座からの招待状

2010年11月14日 00:55

オリヲン座からの招待状 監督・三枝健起 2007年

オリヲン座からの招待状


原作は浅田次郎の同名短編小説(初出は1997年1月号の『小説すばる』、集英社刊『鉄道員(ぽっぽや)』所収)。

それにしてもこの映画、あまりに地味すぎます・・・。

小説の映像化では、往々にして映像時間をカバーするために、原作のエピソードを端折ったり、強引に詰め込みすぎたりして、それが世界観を損なうということがあります。
しかしこの「オリヲン座からの招待状」は、さして複雑ではないストーリーの短編小説を2時間もの映像作品にしているものですから、全編を通して漂う緩さは否めませんでした。



西陣にある小さな映画館「オリヲン座」を営む豊田松蔵(宇崎竜童)と妻・トヨ(宮沢りえ)。
昭和32年、時代の活気もあって、映画館はいつも盛況だった。
そこに大津から着の身着のままでやってきた青年・留吉(加瀬亮)が働きたいと申し出、映写技師としての道を歩むこととなる。

オリヲン座からの招待状000012

ほどなく、松蔵が病で亡くなり、留吉が松蔵の遺志を受け継いで、トヨとともに「オリヲン座」の灯を守っていくことを決意する。
しかし、町の人々はふたりに冷たい。
留吉は主人の妻を寝取り、映画館を手に入れたと陰口を叩かれ、そしてトヨは不義理な妻と噂されていた。

オリヲン座からの招待状000026

町には次第にテレビがあふれ、映画産業の斜陽と相まって、「オリヲン座」を訪れる客も少なくなった。
貧しいながらも映画の灯を守りつづけてきた留吉(原田芳雄)だったが、トヨ(中原ひとみ)の病状が思わしくないこともあって、
昭和25年の開館以来、半世紀以上守りつづけてきた映画館の幕を閉じることを決意する。

東京に住む祐次(田口トモロヲ)と良枝(樋口可南子)夫婦のもとに留吉から最終興業の招待状が届いた。
ふたりは貧しい子供時代、オリヲン座を遊び場として育ち、留吉を父、トヨを母のように慕っていたのだ。
離婚を決意していたふたりだったが、最後のオリヲン座へと立ち会うため京都に向かう。

オリヲン座からの招待状000037

その頃、医者に見放されたトヨは、留吉におんぶされ映画館に帰ってくる。
そして映写室から最後の上映を見守り、しずかに息を引き取った。

オリヲン座からの招待状000050



ところどころで、松蔵が好きだったという設定で『無法松の一生』(主演が阪東妻三郎の1943年版)が引用されていますが、あまりに安易すぎるでしょう?(笑)。
さらに、副次的なストーリーである祐次と良枝の物語も弱いのデス・・・。残念ながら脚本の段階で難があったのではないでしょうか。


余談ですが三枝健起監督は、作曲家・三枝成彰氏の弟でもあります。映画業界ではさほど実績はありませんが、NHK出身でテレビドラマでは唐十郎と組んですごいドラマをつくったりしていました。そう、あの名作『安寿子の靴』(1984年、脚本・唐十郎)の監督でもあるのです(知らないかなあ・・・)。
『安寿子の靴』は、安寿と厨子王の伝説をモチーフに小林麻美と当時15歳の大鶴義丹が姉弟役で出演し、すっごく印象的なドラマでした。ほんと、テレビドラマ史に残る名作ですよ!

むしろ、この『オリヲン座からの招待状』もテレビドラマで作った方がよかったのではないですかね・・・。映画にしてまで・・・という意味が見あたらなかったです。

オリヲン座からの招待状000022
〈夫・松蔵の死後、宮沢りえ演じるトヨが緑の公園を自転車で翔るシーン。演出としては最愛の人の死を乗り越え、前に進む決意をあらわしているのでしょうが・・・。そんな演出を抜きに、この場面だけは退屈な映画の中で唯一、奇跡のように輝いていました〉





コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://2ndkyotoism.blog101.fc2.com/tb.php/64-3be89917
    この記事へのトラックバック


    Twitterボタン

    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。