--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

色即ぜねれいしょん その3

2010年10月13日 00:57

色即ぜねれいしょん 〈光文社文庫版〉


とにかく役者が達者です。
主役・乾純には「黒猫チェルシー」の渡辺大知。ヒッピー風の家庭教師に「くるり」の岸田繁。そしてユースホステルのヒゲゴジラには「銀杏BOYZ」の峯田和伸。
ともにロックグループのヴォーカルですが、演技が役者の域を超えています。

当時はまだ高校生だった渡辺大知はオーディションで選ばれたらしいのですが、演技に不慣れなことが逆に幸いし、童貞の高校生にはうってつけの配役でした。
岸田繁はさすがネイティブの京都人だけあり、セリフまわしは問題ありませんでしたが、それ以上に演技が自然すぎますっ。
峯田和伸は、田口トモロヲ監督の前作『アイデン&ティティ』(2004年)で主人公・中島を演じていましたが、今回は脇役ながらもそれ以上の存在感です(そして・・・『ボーイズ・オン・ザ・ラン』(監督・三浦大輔、2010年)では主役・田西敏行を演じ・・・峯田、すごすぎる!)。

色即ぜねれいしょん000040 
〈峯田和伸の髭と長髪は自前だそうです〉

やはり舞台度胸を持ち、特にヴォーカルをこなせる人っていうのは、役者以上に何者かになりきれる素養も必要なんだな・・・と、改めて感心しますね(まあ、今回の配役が特別しっくりきていたというのもあるのでしょうが)。


長編小説を映像化すると、どうしても尺に収まりきらないエピソードが出てくるものです。また監督と脚本家のエゴも顔を出してきたりして・・・(笑)。
そして、小説シーンの取捨選択や、映画版のオリジナリティによって、映画の方が良かっただの、小説の方が良かっただのと、評価をされてしまうものですが、
この作品に限っていえば、映画には映画の良さがあり、小説には小説の良さがあるように思います。

今回の脚本は向井康介氏。『どんてん生活』(1999年)、『ばかのハコ船』(2000年)をはじめ、山下敦弘監督と共同で書くことの多い若い脚本家ですが、今作品は向井氏の単独での脚本となっています。
細かな純の心理描写は小説にはもちろんかないませんが、その分、映画では純、伊部、池山の3人の“友情”が意識して色濃く描かれ、“青春度”を増しています。それに全編を通してほぼ原作のテイストを残す形で、忠実に描いていますね。このあたりは向井氏の起用がよかったのではないでしょうか。

ただし、原作と映画で大幅に違うのは、純の友人である本田の存在です。
彼は映画ではバッサリと切られ、一切出てきません(泣)。
純と家が近く登下校時に顔を合わせ、いつも純をエロ映画に誘い、彼女と一緒に純の家に上がり込こみ・・・純にとっては少し鬱陶しい存在です。
あまり本田に好意を抱いていない純なのですが、本田がすでに童貞ではないという事実が、純にとって憧れの存在ともなり、なんとなく縁が切れないでいるのです。
ちなみに、小説で純と本田が行ったエロ映画館は「千本日活」でした(笑)。
みうらじゅんの実家は北区の大将軍にあったはずで、なら、千本日活は家から自転車で5分くらいの距離ですね。

まあ惜しむらくは、本田の不在が映画の“エロ度”と“童貞度”を若干下げてしまったでしょうか(笑)。


色即ぜねれいしょん000008

深夜ラジオ「青春ミッドナイト・アワー」のDJの声はみうらじゅん。純はアルバート・ハモンドの『カリフォルニアの青い空』をリクエストしたのでした(みうらじゅんを中心に結成し、イカ天に出演したバンド「大島渚」が演奏したのは『カリフォルニアの青いバカ』でしたね)。


色即ぜねれいしょん000017

ロック喫茶のロケ現場は京都の老舗ライブハウス「拾得」。劇中歌に「村八分」の『どうしようかな』・・・、いやはや、京都を知っておりますなあ。


色即ぜねれいしょん000049

隠岐島のユースホステルはもうないそうです。ロケは天橋立ユースホステルで行われました。
今は、ユースホステルへの宿泊者も高齢化しているとかで、もうこの青春の光景も見られないのですねえ・・・。
みうらじゅんは、高校の3年間、夏は隠岐島に通ったそうです。もちろんフリーセックスの幻想が解けて以後もね(笑)。





コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://2ndkyotoism.blog101.fc2.com/tb.php/41-1f8d7562
    この記事へのトラックバック


    Twitterボタン

    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。