2010年10月06日 23:47
Keiko 監督・クロード・ガニオン 1979年 ATG

深町純の音楽が素晴らしすぎる!
撮影当時、監督のクロード・ガニオンはカナダ出身で日本在住8年の29歳。
それまで日本の伝統を16mmで撮り続けていた彼が、日本滞在の集大成として制作したのが、この『Keiko』でした。

大学を出たばかりで、京都にひとりで暮らす若い女性の初体験から結婚までの日常を描き、女性の自由と幸せとは何かを追求した作品・・・とでもいいましょうか。
しかし、そんな主題を抜きに、この映画の魅力は、深町純の音楽と、人の生活をのぞき見るような生々しいリアルさにあります。
パターン化した演技を避けるため、出演者に即興のセリフを認め、同時録音を用い、開放的な性描写もいとわないドキュメンタリータッチの作品となっています。
上映時にはその斬新さから、かなりの絶賛を浴びたようです。
作品は1979年度のキネマ旬報ベストテン日本映画第3位となり、監督自身も外国人としては初の日本映画監督協会新人賞を受賞しています。
23歳のケイコ(若芝順子)は大学を出て小さな会社で働いている。ひとり暮らしで自由気ままな生活だが、恋人もおらず、会社と部屋とを往復する退屈な日々を送っていた。

平凡な日常への焦りからか、バージンだったケイコは、久しぶりに会った高校時代の恩師を相手に初体験を済ませる。
ある日、喫茶店でひとり夕食をとっていた時、偶然居合わせた客である勝(池内琢麿)に一目惚れをする。
カメラマンである勝に夢中になるケイコだったが、彼は仕事の忙しさと同居する母の世話を理由に、ケイコを抱くといつも早々に帰ってしまう。
勝は妻子ある男だったのだ。

会社の同僚・寺山(橋本敏夫)と奈良にデートに行くも、寺山にはケイコの寂しさを埋めることは出来ない。そして実家からは見合いの催促が・・・。
失恋の痛手も癒えぬまま、ケイコは一軒家の離れを借り、会社の先輩・カズヨ(きたむらあきこ)との共同生活を始めた。

女ふたりの生活は、ケイコにそれまでにない精神的な充実を感じさせるものであった。
しかし、そんな彼女の元に、またしても実家からの縁談話が舞い込み、仕方なくお見合いをするのだが・・・。

主役であるケイコ役の若芝順子はお世辞にも美人とは言えず、当時は京都大学在学中の学生だったとか。
演技も素人丸出しですが、どうやら全くの素人ではなく、多少なりとも演技経験はあったようです。
決して美人とは言えず、演技も上手くないこの人の主役起用が、『Keiko』の映像手法には上手くはまってしまったのです。

〈監督のクロード・ガニオンと音楽担当の深町純〉
クロード・ガニオン監督はカナダに帰国後も映画監督として活躍しますが、生後まもなく下半身を切断した少年ケニーがたくましく生きる物語『ケニー』(1987)は、モントリオール世界映画祭でグランプリを受賞するなど話題となりました。
ちなみに、池内琢麿はこのあと、『ヒポクラテスたち』(1980)で真喜志きさ子演じる中原順子の兄を演じています。
またカズヨ役の、きたむらあきこは現在シス・カンパニー代表で“演劇界の名プロデューサー”北村明子でもあります。この作品観を壊すことなく自然に演じきっている姿は、さすがです。極端なショートカットはケイコの相手役を意識してのことだったのでしょうか(笑)。

深町純の音楽が素晴らしすぎる!
撮影当時、監督のクロード・ガニオンはカナダ出身で日本在住8年の29歳。
それまで日本の伝統を16mmで撮り続けていた彼が、日本滞在の集大成として制作したのが、この『Keiko』でした。

大学を出たばかりで、京都にひとりで暮らす若い女性の初体験から結婚までの日常を描き、女性の自由と幸せとは何かを追求した作品・・・とでもいいましょうか。
しかし、そんな主題を抜きに、この映画の魅力は、深町純の音楽と、人の生活をのぞき見るような生々しいリアルさにあります。
パターン化した演技を避けるため、出演者に即興のセリフを認め、同時録音を用い、開放的な性描写もいとわないドキュメンタリータッチの作品となっています。
上映時にはその斬新さから、かなりの絶賛を浴びたようです。
作品は1979年度のキネマ旬報ベストテン日本映画第3位となり、監督自身も外国人としては初の日本映画監督協会新人賞を受賞しています。
23歳のケイコ(若芝順子)は大学を出て小さな会社で働いている。ひとり暮らしで自由気ままな生活だが、恋人もおらず、会社と部屋とを往復する退屈な日々を送っていた。

平凡な日常への焦りからか、バージンだったケイコは、久しぶりに会った高校時代の恩師を相手に初体験を済ませる。
ある日、喫茶店でひとり夕食をとっていた時、偶然居合わせた客である勝(池内琢麿)に一目惚れをする。
カメラマンである勝に夢中になるケイコだったが、彼は仕事の忙しさと同居する母の世話を理由に、ケイコを抱くといつも早々に帰ってしまう。
勝は妻子ある男だったのだ。

会社の同僚・寺山(橋本敏夫)と奈良にデートに行くも、寺山にはケイコの寂しさを埋めることは出来ない。そして実家からは見合いの催促が・・・。
失恋の痛手も癒えぬまま、ケイコは一軒家の離れを借り、会社の先輩・カズヨ(きたむらあきこ)との共同生活を始めた。

女ふたりの生活は、ケイコにそれまでにない精神的な充実を感じさせるものであった。
しかし、そんな彼女の元に、またしても実家からの縁談話が舞い込み、仕方なくお見合いをするのだが・・・。

主役であるケイコ役の若芝順子はお世辞にも美人とは言えず、当時は京都大学在学中の学生だったとか。
演技も素人丸出しですが、どうやら全くの素人ではなく、多少なりとも演技経験はあったようです。
決して美人とは言えず、演技も上手くないこの人の主役起用が、『Keiko』の映像手法には上手くはまってしまったのです。

〈監督のクロード・ガニオンと音楽担当の深町純〉
クロード・ガニオン監督はカナダに帰国後も映画監督として活躍しますが、生後まもなく下半身を切断した少年ケニーがたくましく生きる物語『ケニー』(1987)は、モントリオール世界映画祭でグランプリを受賞するなど話題となりました。
ちなみに、池内琢麿はこのあと、『ヒポクラテスたち』(1980)で真喜志きさ子演じる中原順子の兄を演じています。
またカズヨ役の、きたむらあきこは現在シス・カンパニー代表で“演劇界の名プロデューサー”北村明子でもあります。この作品観を壊すことなく自然に演じきっている姿は、さすがです。極端なショートカットはケイコの相手役を意識してのことだったのでしょうか(笑)。
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コメント
ラピス・ラズリ | URL | -
こんばんは
以前吉村公三郎監督の『夜の河』でコメントさせていただきました。
あれから、時々拝見させていただいています。
私もこの『Keiko』の音楽が好きで、深町純のCDを調べてみましたが、
CD化されていないようですね。
この映画、有名な俳優を使っていないことが、ドキュメンタリー的なタッチを
生んで、生々しい映像になっていると思いますが、深町純の音楽が流れることで、
生々しさが浄化されて、不思議な余韻が残る映画となっています。
主役のKeikoを演じた女性ですが、最近ひょんなことから、某大学の教授をされている
ことがわかりました。
隔世の感があります。
( 2013年01月22日 23:13 )
t.okuno | URL | -
ラピス・ラズリさん、コメントありがとうございました。
劇中の音楽は、シナリオと同じくらい重要ですね。
( 2013年05月21日 17:52 )
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