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京都大学の近代建築 その3

2011年07月15日 00:30

京都大学の近代建築 山本治兵衛と永瀬狂三、そして大倉三郎

京都大学の多くの建築物営繕に携わったのが、山本治兵衛、永瀬狂三、大倉三郎の三名です。


山本治兵衛(1854(安政元)年―1919(大正8)年)は代々、江戸で大名屋敷の営繕に携わっていた家に生まれ、自身も長じて東京府庁土木課に入庁します。
明治草創期の河川整備、鉄道敷設に関わり、京都との関係で言えば文部省の営繕に属していた時に第三高等中学校(第三高等学校の前身)建設の現場責任者として名を連ねていました。
1898(明治31)年に京都帝国大学へ出張し、大学の創立工事の責任者を担当。その後、文部省技師として各地に続々と設立された旧制高等学校の工事監督を歴任し、1907年に京都帝国大学に創設された建築部の初代部長となったのです。

永瀬狂三(1877(明治10)年―1955(明治30)年)は東京帝国大学建築学科を卒業後、辰野金吾の設計事務所等で働いた後の1909(明治42)年に京都帝国大学建築部に入り、部長であった山本治兵衛の下、大学施設の多くの建築を手がけることになります。
1919年(大正8)年には死去した山本の後任として第二代建築部長(後に組織改編により営繕課長)となっています。1929(昭和4)年に大学を退職するまで大学の営繕を一手に引き受けていましたが、残念ながら学外の建築物は多くありません。

大倉三郎(1900(明治33)年―1983(昭和58)年)は、武田五一が創設した京都帝国大学建築学科の第一期卒業生でした。民間の建築事務所を経て1928年(昭和3)年から京都帝国大学営繕課に勤務し、1930年からは永瀬狂三の後の営繕課長に就任。1940年(昭和15)年に台湾総督府の技師営繕課長に転じるまで、京都大学の営繕に関わりました。後年は京都工芸繊維大学学長も務めています。




京都大学 学生部(旧石油化学教室本館、1889(明治22)年竣工)

DSC02110_R.jpg

設計は、山本治兵衛(1922(大正11)年に増築され、増築部分は永瀬狂三の設計)。

もともと大阪にあった第三高等中学校(後の第三高等学校)が京都に移転してきた際に物理学実験場として建てられた京大に現存する最も古い建物。山本治兵衛が文部省の営繕に勤めていた時に現場責任者として設計した建物です。

DSC02113_R.jpg

一階部分と二階部分とタイル(特に目地の白さ)の違いがわかるでしょうか。二階は1922(大正11)年に永瀬狂三の設計により増築された部分です。

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この建物のすごいところは、湯川秀樹(1907年―1981年)、朝永振一郎(1906年―1979年)、福井謙一(1918年―1998年)と三名ものノーベル賞受賞者を輩出したこと。別名“ノーベル賞の館”です。
ちなみに湯川と朝永は京都一中、三高、京都帝大が同窓という関係でもありました(年齢は朝永が一歳上でしたが、湯川が一学年飛び級したため三高、帝大では同学年でした)。

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京都大学 工学部電気工学教室本館(1900(明治33)年竣工)

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設計は、山本治兵衛と永瀬狂三。

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現在の本館は建て替えられ、竣工当時の面影は残念ながら玄関部分に残されているのみ。

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京都大学 医学部 旧解剖学教室本館(講堂)(1901(明治34)年竣工)

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設計は山本治兵衛。

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当初、医化学教室は時計台のある旧三高の位置にありました。しかし、この旧解剖学教室をはじめ医科学教室、講義室、実習室が現在地に建築され、1903年には本格的な教育が開始されることとなりました。
旧解剖学教室本館(講堂)は当時の様子を伝える最も古い建築物のひとつ。現在は扉が閉ざされたままです。
また、医学部正門横にある外観が同じ守衛室も同時期に建てられたものと思われます。

DSC02245_R.jpg

レンガの煙突が特徴的。





京都大学 医学部 図書館第二書庫(旧解剖学教室標本室、1902(明治35)年竣工)

DSC02242_R.jpg

設計は山本治兵衛。

DSC02235_R.jpg

旧解剖学教室本館(講堂)と同時期に建てられたものですが、こちらは一転、レンガ建築。
1984(昭和59)年に大改修が行われ、半分ほどの大きさに縮小されました。





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