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古都 その6

2011年06月23日 00:26

古都 監督・市川崑 1980年

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山口百恵の引退記念作品(公開されたのは、引退直後)で、脚本は日高真也と市川崑。市川監督の妻で名脚本家の和田夏十はこの作品には関わっていないようです。


山口百恵の最後の作品だというのに・・・市川監督、完全に手を抜きました。

この映画公開の17年前には同じく川端康成原作で監督・中村登、主演・岩下志麻の『古都』(1963年、松竹)という、あまりに完璧な映画化がなされているだけに、市川作品のやっつけ仕事ぶりが目立ちます。


婚約者だった三浦友和の共演は決定事項だとしても、どうして原作にない清作などという役をつくって彼を置いたのかが理解できません。
むしろ千重子に思いを馳せる着物問屋の水木竜助役や織職人の大友秀男役をあてがえばよかったものを・・・。

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〈北山杉の木樵・清作役の三浦友和〉

新たな役を加えることで、最初に映画化された中村登作品との差別化を図りたかったのでしょうが、その思いが最大のつまずきでした(もし、和田夏十が脚本に携わっていたら、清作という未知の人物は作らなかったでしょうに)。

そして俳優の演技も・・・ひどい。
千重子の父親・佐田太吉郎役の實川延若。歌舞伎役者としては高名だったようですが、台詞回しや演技が舞台用のままで、カタイのです。

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〈千重子の父・佐田太吉郎役の實川延若〉


千重子の幼なじみの水木真一役の北詰友樹・・・こんな俳優さんいましたね。二枚目なのですが・・・演技は残念ながら下手くそです(初めての映画出演で、百恵ちゃんとの共演ではテンパリもしますよね(苦笑))。

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千重子から苗子に意中の人を鞍替えする西陣織の職人・大友秀男役の石田信之・・・って、この配役に三浦友和を入れろっつーの(笑)。

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さらに、千重子が結婚を決意する水木竜助役には沖雅也。存在感と演技力は悪くないのに・・・どうして市川演出の『古都』では、この人にベラベラ喋らしてしまったのでしょうか。原作では出来る男のはずが、少し軽い男前になってしまっていて、 明らかに演出上のミスです。
この作品が沖雅也にとっても最後の映画作品だったようですが・・・こんな演出では、沖雅也も今ごろ涅槃で泣いてますヨ。

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かろうじて、岸恵子の存在と、三浦友和のそつのない演技力が救いです(といっても、誰がこの頃の三浦友和を見て、今の「洋服の青山」専属俳優になることを想像したでしょう)。

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〈千重子の母・佐田しげ役は岸恵子〉

本来のこの作品の主題の一つでもある京都の風物詩もほとんど出てこず、
多重露光撮影すら大半の場面で用いず(大部分が、千重子か苗子のどちらかが山口百恵の影武者である女優を使っての撮影)、
いかに手間暇をかけずに撮ったかが一目瞭然。


そして・・・、作品の冒頭に「昭和二十九年」などという、うざったいテロップをわざわざ挿入しているにもかかわらず、途中で挟む町並みの景色はどう見たって・・・ビル建ち過ぎじゃんっ。

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市川崑監督の中で商業映画と芸術映画の割り切りがあったのかどうか・・・、予算や撮影期間がとれなかったのかどうか・・・、は知りませんが、テレビドラマでももう少し丁寧につくるでしょう(泣)。


まっ、いろいろと管を巻いてしまいましたが・・・、
百恵ちゃん目当ての観客には、そんなことどーでもよかったんでしょうネ。

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