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日本画家 甲斐庄楠音 その3

2011年03月28日 00:52

ホモセクシャルの楠音が唯一愛した女性・・・。


一生を独身で通し、ホモセクシャルといわれていた甲斐庄楠音。実際、若かりし頃の彼には榊原始更という夫婦のように同棲生活を営む相手がいました。彼は榊原紫峰の実弟で、楠音と同じく日本画家でもありました。
しかし、兄の紫峰がそんな弟の生活を心配し、ふたりを別れさせます。始更を手伝いの女性と強引に結婚させてしまうのです(ただし、それ以降も、戦前まではたびたび始更は楠音のもとを訪れ、兄の紫峰ともども交流は続いていたようですが)。

甲斐庄楠音と榊原始更 〈甲斐庄楠音(左)と榊原始更(右)〉

男性しか愛せない楠音にも生涯で一度、結婚を意識した女性がいました。それが丸岡トクです。
絵画専門学校時代に1学期だけ卒業が延期され留年することになった楠音でしたが、そこで一級下の丸岡比呂史と知遇を得ます。1917(大正6)年頃、丸岡がアトリエとして使っていた部屋で一緒に制作していた際、そこに出入りしていた丸岡の妹・トクと親しくなり、本人同士はもとより、両家の間でさえも将来の結婚が公認となるほどの仲となるのです。
ところが、知り合って三年後、当時相場で当てた20歳も年上の富豪・新実八郎兵衛という人物に見初められたトクは、着物などを買ってもらって別荘に連れ込まれ、泊まり込んだところを囲い者になった・・・という話です(楠音の実妹の話では、その後も平気な顔で楠音とトクは会っていたといいますが・・・)。

さて、楠音が唯一愛した女性・トクをモデルに描いたのが1922年に帝展に入選した「青衣の女」(1919年)です。

青衣の女 1919年 京都市美術館 〈「青衣の女」 1919年 京都市美術館所蔵〉

そして下が、「青衣の女」と同じポーズをとる丸岡トク本人です。

青衣の女のモデル・徳子 〈「青衣の女」のモデル・丸岡トク〉

唯一の愛した女性にさえ裏切られてしまった楠音は、それまで以上に、女性の内に秘めた業や辱めを全面に描くこととなるのです。


春宵(花びら) 1921年頃 京都国立近代美術館
〈「春宵(花びら)」 1921年頃 京都国立近代美術館所蔵〉






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