--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

二十歳の原点 その3

2011年01月15日 02:53

20101228174821b0d[1]
〈広小路河原町の交差点〉

彼女は入学直後の1967年5月に部落問題研究会(民青系)に入部するも、民青への加盟を強要するオルグに悩み、翌年4月には退部しました。その後、入部したワンダーフォーゲル部では精神的な安らぎを得たようですが、12月に酒に酔った勢いで、男子部員と望まぬかたちでの初体験を経験し、かなりのショックを受けてしまいます。

また1968年12月に大学で起こった「新聞社事件」が彼女の関心を社会問題、全共闘運動に大きく傾かせるきっかけともなったようで、正月休みに家族で過ごしていた「帰省分のおくれ」を取り戻そうと、帰ってきた京都の下宿で、『朝日ジャーナル』『現代の眼』『展望』などを読み耽ります。

1969年1月16日には全共闘が学生会館である中川会館を封鎖。彼女はバリケードが築かれた前でヘルメット姿の学生がマイクでアジテーションをしている光景を眼にし、その翌日の日記では「ノンセクトから無関心派への完全なる移行、激しい渦の前でとまどいを感じる。動け? 『東大紛争の記録』を読んでも何もわからない」と戸惑いを見せています。 


20101228174820ff3[1]
〈かつての広小路学舎の西にある梨木神社〉

「十五日に広小路に行くと、学生二名が私服警察官に逮捕されたことに対する抗議デモをやっていた。河原町通や梨ノ木神社には機動隊が待機しているし、それこそ一触即発の気配であった。」(2月17日の日記より)


20101228174928faa[1]
〈京都府立医科大学附属図書館。かつての広小路学舎の正門があった場所〉

「十九日、学内は一両日中に機動隊が導入されるという緊張の中にあって騒然としていた。私は実のところ、下宿で本を読むべきか、学内で機動隊の立入りに対し反対の行動を起すべきか迷っていた。しかし機動隊の学内立入りにハッキリした立場をとらないと、これからもズットこのまま駄目な状態になっていくような気がして学校に徹夜した。」(2月20日の日記より)

結局、彼女は20日に正面バリケードでの座り込みに参加します。「私は闘争を始めた。内なるバリケード  ブルジョア性の否定  を築いた。」(2月22日の日記より)


20101228174821d01[1]
〈二条城の前に建つ「京都国際ホテル」〉

3月に入り、彼女は「京都国際ホテル」でウェイトレスのアルバイトを始めます。「彼ら彼女らは全く明るい。大声で笑い、話し、楽しさが溢れている。(中略)人間って一体何なのか。生きるってどういうことなのか。生きること生活すること、私はどのように生きていくのか、あるいは死ぬのか。今、私は毎日毎日広小路で講義を受けるがごとくアルバイトに通い働いているのだが。」(3月16日の日記より)

労働を通し、地に足のついた生活に身を置くことで、学生運動に浸る凝り固まった彼女の頭も癒されるかと思いきや、ここでは賃上げ闘争のストライキを目の当たりにします。そして初任給1万8千円で働くホテルの人びとに対し、自分は2万5千円の仕送りを貰っていることに矛盾を感じ、悩んだり・・・。憧れを抱いた十歳年上のホテルの主任のストライキに対する態度に幻滅したり・・・。

「鈴木? 仕事をやるだけの機械人間め! 彼とて現代の独占資本主義の中であえいでいる人間だったのだ。これで一つ彼への幻想がうち破られた。彼に何を求めているのか。それは国家権力と闘うことだ。労働者とともに会社側と闘うことだ。それ以外に何ものぞまぬ。」(4月25日の日記より)

そして、4月末にはアルバイト先の男性とスナックに行き、成り行きで肉体関係を持つのですが、彼には彼女がいることを知るのです。

「九日、中村氏は仕事の始まる前パントリーにいた。例のあの瞳でじっとみていた。会えてうれしかったのに、私はそっけないそぶりをした。何故? 何故? そのあと吉村君から中村氏にはステディな関係にある女の子がいるときいた。相当なショック。」(5月11日の日記より)

『二十歳の原点』では登場人物の名前は仮名となっているものの、彼女と関係を持った男性や上司たちのプライバシーに関して・・・当時、問題とならなかったのでしょうか・・・。






コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://2ndkyotoism.blog101.fc2.com/tb.php/121-341329d2
    この記事へのトラックバック


    Twitterボタン

    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。