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お引越し その3

2011年04月20日 00:30

お引越し 監督・相米慎二 1993年


1993年度のキネマ旬報ベストテン第2位。
そして現在においても、埋もれた名作と謳われているらしい『お引越し』なのですが・・・。

脚本は奥寺佐渡子、小此木聡という両氏の共同脚本。奥寺氏は本作がデビュー作で、その後も脚本家として多くの作品を手がけています(近作には『サマーウォーズ』(2009年)、『パーマネント野ばら』(2010年)など)。

原作が比較的ノンシャランとした雰囲気の中で考えさせられる作風なのに対して、映画では登場人物の全員が何とも陰気・・・。そして物語として離婚を深刻にとらえすぎで、重苦しいのです(原作を知らずに映画を見ていれば、その設定も気にならないのでしょうが)。

母親のナズナ(桜田淳子)はやけにヒステリックで、父親のケンイチ(中井貴一)は腑抜けのように頼りなく、そして原作では元ツッパリでレンコ(田畑智子)の相談相手だった「ワコさん」が映画の中ではフツーのお嬢さんだったり・・・。


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ストーリーの後半には、原作と関係のない親子三人の思い出の場所・琵琶湖が登場し、
この琵琶湖での祭りの幻想的な一夜の出来事が、レンコが母親と精神的に決別し自立していく少女に移り変わる様を演出しているのですが・・・このシーンが長すぎます(もちろん小説のように心象風景を描ききれない映画では、こういう描き方しかできなかったのは十分理解できるのですがネ)。


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両親の身勝手な離婚に腹を立て浴室に籠城するレンコ。激情した母・ナズナは浴室のガラス戸を拳で突き破り、出てきたレンコに掴みかかろうと・・・。


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物語の後半には、両親の仲を取り持とうと、琵琶湖への家族旅行を計画したレンコでしたが・・・うまくいかずに、旅先のホテルから町へと飛び出します。


WS000316_R[1] 〈建部大社の船幸祭〉

祭りに沸く町で見知らぬ老人と出会い、祭りを堪能していたレンコの目には、追いかけてきた母・ナズナの姿が。


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母親から逃げ、そしてたどり着いたのは誰もいなくなった琵琶湖の湖畔。水面に映るかつての仲がよかった頃の親子三人の幻影を見て、昔の自分と別れる決意をするのです。



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お引越し その4

2011年04月20日 00:33

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『お引越し』は、現在も女優として活躍する田畑智子のデビュー作(当時12歳)です。
8000人を超えるオーディションの中から選ばれた逸材で、彼女はこの作品により「キネマ旬報新人女優賞」「報知映画賞新人賞」などの新人賞を受賞しましたが・・・まさかそのまま女優になるとは思いませんでしたネ。いや、確かに存在感“は”あったのですヨ(笑)。


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桜田淳子の最後の出演作品(現在のところ・・・)でもあります。


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レンコと同じく両親が離婚し、京都に越してきたサリーこと橘理佐役には青木秋美(現・遠野凪子)。この人も子役だったんですね。


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相米慎二監督作品では常連でもある笑福亭鶴瓶。今回は先生役で登場。



この作品では、鴨川縁や祇園祭、大文字送り火など定番の風景、風物詩のほかにも、京都の名だたる近代建築も登場しています。

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作中での小学校は、1992年に廃校となり、現在は京都市学校歴史博物館となっている下京区の開智小学校で撮影。

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1912年竣工の本願寺伝道院(旧・真宗信徒生命保険本館)横を走る主人公のレンコと母・ナズナ。
伊藤忠太設計の最高傑作を俯瞰からのチラ見せですが、せっかくのこの建物も俯瞰では魅力が伝わりません・・・。やはり、『怪奇大作戦』の第23話「呪いの壺」(1969年)のように撮らないとネ。

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〈『怪奇大作戦』第23話「呪いの壺」より〉





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