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クローズド・ノート その1

2010年12月21日 00:09

クローズド・ノート 監督・行定勲 2007年


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原作は雫井脩介の同名小説。

『きょうのできごと a day on the planet』(2003年)で、京都のロケーションのおいしさを知った行定勲監督が、原作と関係のない京都を舞台に小説世界を置き換えたのがこの映画です。
舞台設定を京都に置き換えるという先行作品では冨樫森監督の『天使の卵』(2006年、原作・村山由佳)がありますが・・・、あっ、こちらも沢尻エリカが出ていましたね・・・。

原作と主役・沢尻エリカの起用は、監督が決まる前に決定していたみたいです(アイドル映画をつくる時の昔の手法ですねっ)。

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“原作はいい”との評判ですが読んでいません。なので、どこまでが映画の脚色かはわかりませんが、“こそばゆい”映画でした(直截的に言うと残念ながら肌に合いませんでした)。



教師を目指す大学生の堀井香恵(沢尻エリカ)は、越してきたアパートで先の住人のものと思われる日記を見つける。
それは新米の小学校教師・真野伊吹(竹内結子)のものだった。
香恵のアルバイト先である万年筆屋に、ある日、石飛リュウ(伊勢谷友介)が客として訪れる。彼は、香恵がアパートに越してきた日、意味ありげに彼女の部屋を見上げていた人物だった。イラストレーターの彼に香恵は心惹かれる。
読んではならないと思いつつも、ある晩、伊吹の日記を開く。そこには新任の教師として過ごしてきた日々が綴られ、隆という伊吹の恋人の存在を知る。
リュウへの思いを深め、次第に近づきつつある香恵だったが、リュウには忘れられない女性がいた。
そう、伊吹の恋人・隆はリュウだった。
日記を返すため、香恵は伊吹が勤める小学校へとやってくる。しかし生徒たちから聞かされたのは、もう伊吹が小学校にいないということ。
隆を思い続けたまま日記の最後の日、伊吹は交通事故でこの世を去っていたのだった。



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調布の味の素スタジアム横に建てられたオープンセット。これをつくった美術スタッフは凄いです。


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主人公・堀井香恵(沢尻エリカ)が働くのは老舗の万年筆店・・・って。万年筆専門店ってアルバイトを雇うほど需要があるのですかね。

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寺町通りにある村上開新堂の外観を使っています。実際は明治37年創業の老舗洋菓子店で、もちろん梶井基次郎も幾度となくこの店の前を歩いていたことでしょう。店内は日活のセットを用いての撮影ですね。


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行定監督の師匠でもある林海象テイスト(「私立探偵 濱マイク」シリーズみたいな)の劇中劇。『きょうのできごと』でプチブレイクした三浦誠己も一瞬映っております。

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劇中劇のヒーローは夏目涼(黄川田将也)。


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香恵の越してきた部屋に残された日記の持ち主は小学校の教師・真野伊吹(竹内結子)。生徒たちを「太陽の子」((C)灰谷健次郎)と呼んでしまうような実直な先生です。あまりに真っ直ぐすぎて、相田みつをの詩を習字の時間に生徒に書かせそうですね。


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石飛リュウ(伊勢谷友介)が万年筆の試し書きで描く“水玉の猫”。伊勢谷友介の万年筆を扱う指先は、ちと魅せられます。

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水玉の猫は実在しませんが、渦巻き模様の猫はいます。逆柱いみりの世界(『馬馬虎虎』『ケキャール社顛末記』等)にはね(笑)。


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たびたび出てくる、この胸を叩く仕草なんですけど・・・「心の力」ですか・・・はっきり言って観ていて“さむい”です・・・。監督はこの「心の力」をキーワードとして映画の中心に据えたのでしょうが、その言葉をあえて劇中で口に出さずに、観ている人間に感じさせるのが、名作への第一歩だと思うのですがねえ・・・(原作でもこのままだったのかな)。


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アルバイトの女の子にも命令口調の万年筆店店主(中村嘉葎雄)。客に対しても「売ってやれ」って・・・、職人でもいまどきこんな口を聞く人間はいません。商売人以前に人間として失格です(苦笑)。



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クローズド・ノート その2

2010年12月21日 00:12

さて、山村美紗サスペンスも顔負けの京都定番シーンのオンパレードが始まります。もちろんそこに地理的整合性はありませんが、目くじらを立ててはいけません(笑)。

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まずは南禅寺の水路閣。日記を読む香恵の空想の中の伊吹と隆。


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この特徴的な左の塀は、上京区にある本隆寺の北にある築地塀です。

西陣心中001 〈『西陣心中』のチラシ〉

この築地塀のある道は、石原裕次郎主演『男と男の生きる街』(1962年、舛田利雄監督、日活)や、島村佳江主演『西陣心中』(1977年、高林陽一監督、ATG)にも出てきます(『西陣心中』のDVD化希望です)。


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アルバイト中に、香恵は店主の娘・可奈子(永作博美)に「ちょっと出てきます」と言って寺町から哲学の道へ・・・。辿り着いたのがリュウが住む北白川の「銀月アパート」。

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このアパートはセットではなく実在します。ただし、実際の部屋は6畳ほどのワンルームで風呂なし共同トイレ(だったかな?)。劇中の部屋はセットでの撮影です。


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知恩院の古門前に近い白川に架かる行者橋。行者橋は比叡山延暦寺の千日回峰を行う行者が「京都大廻り」で渡る由緒ある橋です。凄く細いので、人が行き交うことは難しいです。


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出町柳を東から西へ、河合橋から出町橋へと疾走する香恵とリュウ。映画で男女の二人乗りは定番ですが、警察官に注意される場面は見たことがないですねえ。


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リュウの個展に招かれ、頼まれたマンドリンを演奏する代わりに、伊吹の日記を読む香恵。もちろんリュウは号泣です。映画のクライマックスでの演出ですが、フツーに考えればこれほど酷い行為もありません。


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紙飛行機を伊吹の教え子だった生徒たちが、香恵に向かっていっせいに飛ばすシーン。唐突すぎるんですけど・・・。観ている人はこんなので感動するのかな・・・。


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リュウの靴はクロックスだったのですね。世界で一番ダサい履き物に認定されている一品ですよっ。「バカねっ。男は靴で見分けられんのよっ」とは9歳の少女の言葉(唐十郎著「安寿子の靴」からの引用)です(笑)。



褒めるところといえば、主人公・香恵の住むアパートとその周辺のオープンセットが秀逸なのと、まあ、万年筆店の店内やリュウの住むアパート内部のセットも上手く作り込まれていたことですかね・・・。

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あ、そうそう、役者の中では、万年筆店の店主の娘役・永作博美が、あまりに存在が自然で、びっくりしました。この人は地味な役を一歩引いた距離で演じている方が魅力的に見えますね。

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映画は、公開直前にワイドショーを中心に怒濤のプロモーションを展開しましたが(笑)、あの騒動がなければ、そのまま消え去っていた映画だったかもしれませんね・・・。





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