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廬山寺 その1

2012年02月03日 23:43

廬山寺

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廬山寺(ろざんじ)の大師堂で毎年2月3日に催される追儺式「鬼法楽」は、京都で最も有名な節分行事の一つ。通称は「鬼おどり」。

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これは廬山寺の開山・元三大師(がんざんだいし)が村上天皇の時代に宮中で三百日の護摩供を修したとき、人間の善根を毒する三匹の鬼が出現し、その鬼たちを独鈷、三鈷の法器で退散させたという故事によるもの。
鬼を節分に追い払うことで、福寿増長を祈念し、一切の悪疫災難を払います。


元三大師こと良源(延喜12(912)年―永観3(985)年)は、第18代天台座主をつとめた人物。当時の宗教界に君臨する比叡山延暦寺の最高位として荒廃していた伽藍を復興し“比叡山中興の祖”と現在に至るまで尊ばれている僧侶ですが・・・

永観2年に都に疫病が流行り、元三大師の元にも疫病神が近づいてたとき、角を生やした鬼に変身して追いやった・・・おみくじを創始した・・・など、様々な逸話を持つ人物。

角大師
〈元三大師が鬼に変身した姿をあらわす「角(つの)大師」の護符。玄関に貼ればすべての災厄から守られる〉

命日が正月の三日であったことから「元三大師」とよばれました。


廬山寺の正式名称は、廬山天台講寺。

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現在の廬山寺は御所の東、寺町通に面して建っていますが、移転してきたのは豊臣秀吉の天正の区画整理によって。
もともとは、船岡山の麓に廬山寺の前身「与願金剛院」として天慶元(938)年に創建。寛元3(1245)年には覚瑜(かくゆ、浄土宗の開祖・法然の弟子)が出雲路に「廬山寺」を開き、二ヵ寺を統合し四宗兼学(円・浄土・戒・密)の寺院として栄えます。
しかし応仁の乱で、ほかの都の寺院同様焼失し、天正元(1573)年に現在地に移ってきたのでした。

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ちなみに、その後も天明の大火(1788年)に遭い、現在の本堂は寛政6(1794)年に再建したもの。


廬山寺
廬山天台講寺は浄華院の南にあり、宗旨〔天台、律、法相、浄土〕兼学なり。開基は慈恵大師にして、与願金剛院と号し、中興は住心上人なり。一日化人来つてわれは唐の恵遠法師なりとて、廬山の二字を書し住心和尚に与ふ、故に廬山寺と改む。本尊は元三大師自作の像なり、南の壇上には薬師仏を安ず。〔聖徳太子の作なり、世に小屋の薬師と称す〕北の壇上には聖観音を安ず。〔伝教大師の作なり。世に船来迎観音と称す〕当寺の什物に法然上人自筆の選択集あり、又親鸞上人自筆の四句の文あり。〔是六角堂観世音より授与し給ふ四句の偈文なり〕
〈安永9(1780)年刊行の『都名所図会』より 廬山天台講寺〉

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廬山寺 その2

2012年02月03日 23:44

さて、「鬼法楽」の前に・・・

廬山寺の節分で、他の寺社の節分行事には見られないユーモラスな催しが「鬼のお加持」。「鬼法楽」の先と後とに行われます。

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邪気払いをされた桃色の鬼によって、身体の悪いところを加持してもらい病気平癒を祈ります。

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次々と人びとが列び、鬼は右手に剣、左手には薪をもち、悪い箇所に当ててもらうという滑稽なしぐさ。


そして元三大師の故事にまつわる「鬼法楽」。

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勇ましい太鼓と法螺貝の音が響いてくると、松明と宝剣を持った赤鬼、大斧を振りまわす青鬼、大槌を担いだ黒鬼が大師堂前の舞台に登場。
舞台の上では、三匹の鬼が踊りながら、威勢をはります。

人間の善根を毒する三匹の鬼は仏教でいう「三毒」(貪欲、瞋恚(しんい)、愚痴)。

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〈赤鬼は貪欲〉

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〈青鬼は瞋恚(しんい、怒りのこと)〉

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〈黒鬼は愚痴〉

一方、大師堂の堂内では僧侶による護摩供の修法が執り行われ、三匹の鬼が堂内に立ち入り、踊りながら修法の妨げを・・・。

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しかし、護摩供の秘法と追儺師の邪気払いの法弓、そして蓬莱師が撒く蓬莱豆や福餅の威力に圧倒され、鬼は退散。

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〈追儺師が舞台に登場し、東・西・南・北・中央の五ヶ所に向かって矢を。これは元三大師が使った降魔矢に由来〉

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〈邪気払いを受け、苦悶しながら退散する鬼たち〉

廬山寺の豆は、大豆の外側を砂糖で固めた紅白の豆で、元三大師が魔滅大師(豆大師)といわれたことから、豆で大師を表現。蓬莱豆を紅白一粒づつ食べると寿命が延び、福餅を食べると開運出世するのだとか。

元三大師が鬼を退治したといわれる独鈷、三鈷が特別開帳されるのもこの日限り。


元三大師の法力伝説や、廬山寺の建つ場所が平安時代の紫式部の邸宅跡だとか、境内にある慶光天皇陵にまつわる尊号一件の話は、また機会のある時にでも・・・。





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