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菊野大明神(法雲寺) その1

2012年01月22日 23:56

菊野大明神(法雲寺)

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京都で最も縁切りの霊験があるとされるのが「菊野大明神」。
河原町二条を上がった法雲寺という浄土宗の寺の中にあり、“知る人ぞ知る”縁切り祈願の祠です。

大明神とはいうものの、祀られているのは「菊野さん」とよばれる自然石。

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今の法雲寺は本堂の東に庫裏、そして庫裏のさらに東に「菊野大明神」があるだけの閑散とした寺域となっています。

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〈まわりには高層マンションが建ち並び、境内も駐車場と化し、かなり経済的に厳しい状況をうかがわせる〉

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もともとこの場所は、正暦元(990)年に関白太政大臣・藤原兼家が邸宅を寺に改めて創建した法興院があったところ。その後、兼家の私寺は廃絶し、邸宅の池水の跡の泉だけが残っていましたが、そこに永禄10(1567)年、源蓮社清善という僧侶が草庵をむすび、さらに元和元(1615)年に堂宇が建立され伽藍が整ったのが法雲寺の始まりとされています。

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〈本堂は火災により焼失後、文化15(1818)年に再建されたもの。屋根瓦には獅子の他に、めずらしく金剛力士像が備え付けられている〉


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「菊野さん」は明治の初めまで、中京区東洞院三条角にあった曇華院という寺の前に祀られていました。婚姻の行列は、この石の前を避けて通るほど、有名な石だったようです。


さて、「菊野さん」へは・・・、

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庫裏に入ると、「菊野大明神へご参拝の方は、ローソク、線香を二本ずつお供えしてください。お代は百円です」と書かれ、香灯代入れの箱が置かれています。

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そして庫裏を抜けると、東庭があって、その一角にお堂というよりも納屋風の建物があり、その中に目当ての菊野大明神が祀られています。

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菊野大明神(法雲寺) その2

2012年01月22日 23:57

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〈お堂の中は供えられた線香の煙が満ち、無数の提灯が天井からぶら下がっている〉

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縁切り石となった由縁は、「宇治の橋姫」が宇治から貴船神社へと通う毎夜、この石に腰を掛けて休んだからだとか。
「宇治の橋姫」といえば、男への深い嫉妬から、相手の女を呪い殺そうと貴船神社に七日間通って丑の刻参りをし、生きながら鬼となった人物。渡辺綱が一条戻橋で出会った鬼も、この宇治の橋姫でした。

また、一説には小野小町に恋した深草の少将が、腰掛けて休んだことから、縁切り石になったとも言われています。
深草の少将は小町の元に百夜通いをし、その最後の晩にあえなく亡くなってしまい、その無念の思いが「菊野さん」に乗り移ったのだとも。

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ともあれ、明治5年に曇華院が嵯峨野に移転し、その後どういうわけか「菊野さん」は法雲寺の境内に移されます。ところが、その存在を寺の人間すら忘れていた時、ある山伏が法雲寺を訪れ、「この寺に菊野という石があるはずだが?」と住職に尋ねました。菊野とよばれる石を知らなかった住職が、境内に置かれている縁切りの言い伝えがある石を示すと、山伏は「それだ」といって、石の前にぬかずき法楽をはじめ、東庭に西に向かって安置し、祭礼は3月16日、さらに毎月16日には法要をして厚く敬えば、「この石に祈る人には、悪縁を切って良縁となる」と言い残して去っていった・・・という奇妙な出来事があったそうです。
それ以来、境内の東庭に移し、祠がつくられ、恋人や夫の浮気を断ってほしいという女性や、娘と恋愛関係にある男性との縁を断ってほしいと願う親など様々な人たちが、現在も“ひっそり”と訪れてくるのです。


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祠は、山伏の言ったとおり、西に向かって安置されていますが、祠の中に「菊野さん」らしき石があるのかどうかはうかがえません。


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お堂の東壁、菊野大明神の祠の裏側には、仏画の額縁が飾られ、その横には残念な貼り紙が・・・。

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そしてどうやら、2000万円をかけた菊野大明神の新堂建築の寄進を募っているようですが・・・、

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10年以上前の平成12年3月現在で、寄付金の合計が215万円あまり、寺自体の積立金が200万円と、かなり厳しい状況のようです・・・。


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最後に、祠の正面の提灯をよくよく見ると・・・、

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「菊川大明神」・・・名前が間違ってる・・・。


もう少し、人に知られて一日も早く新堂が建つといいですね。





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