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2012年01月22日 23:55

鍵 監督・市川崑 1959年 大映


原作は、谷崎潤一郎が1956年1月号の『中央公論』に発表した同名小説。
小説の発表時は国会でもその扇情的なストーリーや表現方法を巡って問題になったという、いわく付きの作品です。

物語が時代を超えて受けるのか、この市川崑監督の『鍵』(1959年、大映)を皮切りに、谷崎潤一郎の「鍵」は現在まで五本の映画化がなされています。

市川崑(1959年、大映)
神代辰巳(1974年、日活)
木俣堯喬(1983年、東映)
ティント・ブラス(1984年、ベニスを舞台としたフランス・イタリア映画)
池田敏春(1997年、東映)


さて、市川崑監督の『鍵』(大映東京)は、前年に公開された同監督の代表作の一つ『炎上』(1958年、大映京都)で脚本を担当した和田夏十と長谷部慶次に加え、監督自身も脚本に携わり、出演者も『炎上』から中村鴈治郎、仲代達矢、北林谷栄を、そしてカメラマンには宮川一夫を、と常連を起用しているのですが・・・、
エキセントリックな役者の演技と演出は、果たして受けを狙ったものなのか、そしてそれが狙い通り観客に受けたのか・・・評価に困る作品です。

仲代達也の大袈裟なジェスチャーによる独白から始まる展開。そして、登場人物すべてが道化をイメージするかのように、強すぎる白粉で化粧をし、ただならぬ雰囲気を出しています。

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京マチ子にいたっては、あり得ない角度の眉毛! もはや触覚です(苦笑)。

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1960年にカンヌ国際映画祭審査員賞を受賞するなど“世間的”には評判の高い作品なのですが・・・個人的には“よくできた作品”とは言い難いですネ。


オープニングのクレジットは、京都市電の底部の影を利用した斬新なカットで映され、さすが宮川一夫と思わせたのですが・・・いかんせん、その後は驚くほどの突飛なカメラワークはありませんでした。

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あらすじ・・・、

いつまでも若さを保っていたい古美術鑑定家の剣持(二代目中村鴈治郎)。彼が通う病院の若い医師・木村(仲代達矢)は剣持の娘・敏子(叶順子)の恋人でもありました。
剣持は若さを保つため、密かにある計画を企てます。器量のよい妻の郁子(京マチ子)に木村を近づかせ、彼らの睦まじい関係をのぞき見ることで、自ら嫉妬と興奮を呼び起こし、若返る術にしようというのです。

日頃から剣持家に出入りする木村が、剣持やその娘で決して器量がいいとは言えない敏子と親密になっているのにも理由がありました。
それは、美術界の大家である剣持の名声という後ろ盾と、裕福な家庭の敏子との結婚で開業医への道が開けるかもしれないという打算があったのです。

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〈敏子役の叶順子は、大映のスター候補として活躍するほどの美貌を持つ女優ですが、この作品では野暮ったい化粧と、無表情な演技で、魅力のない不気味な女性を演じています〉

木村と郁子は剣持の思惑通り、お互いが惹かれ合います。しかし一方で、木村から距離を置かれた敏子は家を飛び出してしまって・・・。

これ以上、木村と妻の郁子が深い関係になるのは危険と感じた剣持は、木村と娘・敏子との結婚を急いで決めてしまうのです。しかし時すでに遅し。日頃から血圧の高かった剣持が倒れ、そのまま息を引き取ってしまいました。

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〈夫の剣持が亡くなり、妻の郁子はこの表情!〉

剣持が亡くなり、家にあった美術品のほとんどが美術商からの借り物で、家すらも抵当に入っていることを知った木村は、母娘の前から姿を消そうと決意します。

葬式も終わり、一段落した三人だけの団欒の席で、娘の敏子は母親の毒殺を謀ろうとして・・・。そして、この家庭の異常な様子の一部始終を静かに見守っていたお手伝いの婆や・はな(北林谷栄)は作っていたサラダに農薬を振りかけて・・・。

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WS000058_R_20110829002451.jpg 〈岡崎の天王町〉



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