--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

女必殺五段拳 その1

2011年10月17日 23:11

女必殺五段拳 監督・小沢茂弘 1976年


「青春を叩きつける」「悦っちゃんの新魅力!」「兄と妹を引き裂く・・・」「血のシンジケート!」「悦子が許さない!!」「アタック――アタック」「華麗にアタック!」「炸裂!!」「二段蹴り」「鮮烈!」「五段撃ち!」「必殺技の嵐」「新アクションの乱舞!」「痛快娯楽大作!」

えっ、なにって? この映画の予告編に流れるテロップを集めてみました(笑)。


東映実録ヤクザ映画も次第に人々に飽きられ始めた頃、東映映画にニュースターが誕生します。それが“悦っちゃん”こと「女必殺拳シリーズ」で主役を張った志穂美悦子でした。

WS001873.jpg


千葉真一率いるJACの一員としてスタントマンなしでのアクションは大いにウケ、1974年の『女必殺拳』を皮切りに、1976年に公開されたこの『女必殺五段拳』まで、計5作に主演しました。

シリーズの内容はどれも、カンフーや空手に長けた志穂美悦子演じる娘が、あるときは親、あるときは友人の敵を討つため、悪の巣窟に乗り込み戦うというもの。もちろんそこには、陰で彼女を支える男性の影・・・なんてこともあるのですが。

WS001426.jpg


さて、この『女必殺五段拳』では、志穂美悦子演じる主人公・菊は、京都室町の呉服問屋の一人娘。

WS000002.jpg

お見合いの席から抜け出して、練習に通うほどのカラテ好き。

WS000061.jpg

そして今回の敵は、国際麻薬密売組織です。空手道場の妹分・ミッチー(ミッチー・ラブ)の兄・ジム(ケン・ウォーレス)が組織の手下として、日本に潜入捜査に来た麻薬Gメンを殺害するものの、実行の際に顔を見られたと組織に消されたことから、敵のアジトに志穂美悦子が潜入するのですが・・・。

WS000444.jpg
〈右に座るのがミッチーと兄・ジム。父親が違う貧しい沖縄出身の兄妹という設定です。ジムが悪役の片棒を担いでいるのも、その貧しさから。いつかは沖縄で妹と飲食店を持ちたいと思っている、妹にとってはよき兄なのです〉


WS001106.jpg

その敵のアジトこそが、東映京都撮影所をそのまま利用した「極東映画撮影所」!!

WS001109.jpg

いやぁ、うまく考えたものです。これ以上、手軽なロケ現場はないわけですから。

WS000321.jpg

しかも日本からアメリカに麻薬を運ぶ手段は、撮影所の美術スタッフがつくった仏像の中の空洞に詰め込むというもの。
そう、撮影所のスタッフや役者の多くが麻薬密輸に関わっているという壮大な仕掛けなのです。

WS000379_20111007194644.jpg


今回、悦っちゃんを助けるのは、日本の麻薬捜査官・高木を演じる渡瀬恒彦。

WS000896_20111007194642.jpg



スポンサーサイト

女必殺五段拳 その2

2011年10月17日 23:11

ただ、肝心のアクションはというと、そう大したことはありません。東映の狭い倉庫の通路をそのまま利用した立ち回りでは、如何ともしがたいですからね。むしろ、オープニングの空手衣を着た道場での組み手が一番、サマになっていたのかも(苦笑)。

WS000145.jpg


表の顔はハリウッドのプロデューサー、裏の顔は麻薬組織の極東支配人というスペンサーを演じているのは、クロード・ガニオン。そう、映画監督のクロード・ガニオンです。

WS001481.jpg
〈当時まだ20代半ばのはずですが、髪の毛に白いメイクを施すだけで、この貫禄〉

彼は20歳の頃にカナダから来日、1970年代を日本で過ごし、16ミリなどで日本文化を中心とした映像作品を撮っていたようです。そして、その集大成として撮った初監督作品『Keiko』が1979年度のキネマ旬報ベストテン日本映画第3位となり、自身も外国人として初の日本映画監督協会新人賞を受賞。さらに1987年には生後まもなく下半身を切断した実在の少年を描いた『ケニー』でモントリオール世界映画祭グランプリを受賞しました。

まさか必殺技の五段拳でボコボコにした相手が、これほどの映画監督になろうとは悦っちゃんも思っていなかったことでしょう(笑)。

WS001758.jpg

ちなみにクロード・ガニオンは、千葉真一主演の『殺人拳2』(監督・小沢茂弘、1974年、東映)や、『らしゃめん』(監督・牧口雄二、1977年、東映)にも出演しています。


チャンバラトリオはハリセンをもっての熱演です。元々は三人とも東映京都撮影所所属の大部屋俳優で、古巣に凱旋というところでしょうか。

WS001183.jpg
〈劇中劇の監督には南方英二〉

WS001127.jpg
〈撮影所がアジトだと知った志穂美悦子は、小姓に扮して潜り込みます〉


ズーズー弁が特徴で、菊の父親を演じた鈴木正文は、元検事という異色の経歴をもつ空手家。京都に本部を置き、世界中に支部を持つ空手道場「日本正武館」の館長でもありました。一連の東映カラテ映画が成功したのもこの人の存在が大きかったようです。

WS000043.jpg


田淵岩夫は志穂美悦子演じる菊の幼なじみのクリーニング屋・一平役で登場。意味もなく物まねレパートリーの藤山寛美を披露。

WS000742.jpg


麻薬密輸の中継地点は、懐かしの「琵琶湖タワー」。

WS000201.jpg

その駐車場横にあった「ラーメン大学」と走る渡瀬恒彦との夢のコラボ映像!!

WS000845.jpg


東映時代劇、任侠映画の巨匠と称された監督の小沢茂弘は、この作品を最後に東映を解雇され、監督業を廃業しています。
人気作品を撮っていた頃は、「小沢天皇」と陰で揶揄されるほどの尊大な態度で撮影所を闊歩していた小沢でしたが、映画産業が斜陽となり、東映の多角経営も失敗すると、当時の社長・岡田茂に嫌われていたこともあり、あっけなく首を切られたのでした・・・。


残念ながら西陣織の景気も、映画産業と時を同じくして凋落していくのですが・・・菊の愛車は黄色のポルシェ!

WS001051.jpg

河原町通り・・・

WS000724.jpg

御池通りの市庁前・・・

WS001880.jpg

五条通り・・・

WS000747.jpg

と、いろいろと走っております。市電や地上を走っていた京阪電車が懐かしい。





Twitterボタン

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。