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女の園

2011年05月25日 00:24

女の園 監督・木下惠介 1954年

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原作は、文芸誌『群像』(1953(昭和28)年8月号)に掲載された阿部知二の短編小説「人工庭園」。
京都女子大学で実際に起こった事件を扱った作品ですが、どこまでが事実で、どこからが虚構かは、不明です。


名匠・木下惠介が脚色と監督を担当。また、松竹の看板女優であった高峰三枝子、高峰秀子、岸惠子の三人が揃い、そこに当時大映に所属していた久我美子が加わるという豪華競演が話題となった作品でもあります。


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〈四条通を走る市電。バックに見える大きなビルは、百貨店の「大丸」です〉

あらすじは・・・、戦後、自由思想の風が吹く世の中にあって、京都の正倫女子大学は開校当時からの教育指導を貫いていた。それは良妻賢母を育成するため、全寮制で厳しい寮規則を設け、学生を管理するというもの。そんな息苦しい学生生活に、次第に自治を求める声が上がり、女学生たちが一致団結して立ち上がる・・・、という展開。

日米安保の改定をめぐる学生の反対運動が起こったのが1960年。とはいえ、戦後すぐには多くの大学で学生たちの民主化運動が再開されていたことを思えば、そう珍しい題材ではなかったのかもしれません。・・・しかし、この作品では学生たち一人一人の生い立ちからくる、大学に対する思いや、個人個人の打算もつぶさに描かれ、思惑の絡み合った人間模様が興味深く進んでいきます。


WS000059_R[1] 〈高峰三枝子〉

厳しい寮母・五条真弓には高峰三枝子。きつい眼差しで、寮生に小言を欠かさない、いかにも“いけず”な役柄に徹しています。見ていて憎らしいくらいに(笑)。一部の学生を手なずけ、スパイさせるような陰湿な一面も。


WS000150_R[1] 〈高峰秀子〉

三年間、銀行勤めをして大学に入学した出石芳江を演じるのは高峰秀子。東京に住む恋人・下田参吉との手紙を寮母・五条に検閲され、それ以降、目の敵のように監視されます。姫路で瀬戸物屋を営む芳江の父は、事あるごとに縁談話を持ち出し下田との交際には反対し、芳江は芳江で学校の勉強について行くことが出来ない焦りから、次第に精神的に参ってしまって・・・。父親の思惑と、恋人の存在と、社会進出したい焦りと、そして消灯時間さえも縛られ勉強に打ち込めない寮生活からくる苛立ちで、最終的には、教室で自殺してしまい、この芳江の自殺が、学生たちの運動の発火点となるのです。


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〈市電に乗る岸恵子と高峰秀子〉

芳江と同室の滝岡富子には、岸恵子。テニス友達の男子学生との交際が発覚し、停学処分を受けます。最初は、勉強の出来ない芳江に冷たくあたるも、門限に遅れたところを芳江に助けられてから、仲よくなるという今風の女学生。


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〈渡月橋での久我美子と高峰三枝子〉

奈良の資産家の娘・林野明子を演じるのは久我美子。この映画のキーパーソンです。学校の経済的な後援者の家庭で育ち、大学の教員からも特別扱いされていますが、自身は寮生の立場に立って行動するカッコイイ役柄なのです。そして、寮生の天敵・寮母の弱みをも握っていて・・・。


WS000164_R[1] 〈金子信雄〉

補導監・平戸喜平役の金子信雄。まあ、学校での生活指導的な責任者ですが、学生側の言い分にも理解を示そうとする現実的な教師という設定です。1970年代の『仁義なき戦い』シリーズでの親分役や、「金子信雄の楽しい夕食」(朝日放送)で見せていた剽軽な表情とは違い、文学座時代の面影を残した演技を披露しています。


WS000402_R[1] 〈田村高廣〉

この『女の園』は、阪東妻三郎の長男・田村高廣のスクリーンデビュー作でもあるのです。同志社大学を卒業後、サラリーマン生活を送っていた時、映画界の大スターであった父親が急逝。木下惠介監督らに強く勧められ、父親が最後に在籍していた松竹に入社しました。この作品では出石芳江(高峰秀子)の恋人で東京の学生をしている下田参吉を演じています。セリフ回しでの滑舌は悪いものの、弟の田村正和に劣らぬ二枚目ぶりを発揮。


WS000141_R[1] 〈山本和子〉

脇役ながらもメインキャストの面々と負けない美貌で、画面を引き締めるのが山本和子。金持ちである明子(久我美子)の思想に疑問を持ちながらも、それが本気だとわかり、最終的に共闘する服部丈江を演じています。ちなみに、山本和子の娘は現在、女優として活躍している毬谷友子だとか。


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そして、われらが浪花千栄子さん、今回は小料理屋の女将に扮していました。



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